*スマートフォンで見ると写真の配列が変わります。正しい配列はパソコンでご覧になってください。

症例解説1つ目はよく質問を受ける白内障です。

飼い主さんも気にしている病気トップ5くらいには入るのではないでしょうか。

白内障が進行していますねと言われることがあるかと思いますがはたしてそうでしょうか。

眼が白いについて簡単にご説明します。

そもそも目が白いとはどこが白いのかを見極めなければなりません。

目の表面の角膜?

角膜と茶色の膜(虹彩)の間の前房?

水晶体?

左の写真は角膜が浮腫を起こしており角膜全体が混濁しています。

検査結果は角膜の傷(潰瘍)により浮腫を起こしていました。

次に白内障とよく間違われる水晶体(レンズ)の濁りがあります

これは『水晶体核硬化症』といい、白内障とは全然違います。

濁りは出るものの視覚には影響がない病態です。

左右両方の写真ともに水晶体核硬化症が認められます。程度により混濁具合も違いますね。

写真は上下で同じ眼になります。下の写真はスリット光(細い光)で眼を輪切りにして観察することができ、眼の中の状態を細かく診断することが出来ます。

上段の写真で見た目で濃く濁っている眼のほうが下段の写真の核硬化症のラインと中身が濃いのが分かります。

また正常眼では水晶体のラインは1本のみで核硬化症のように2重にラインが無いのが分かります。

次に『白内障』です。白内障は発生する年齢により呼び方も病態も変わってきます。

また、進行具合によっても呼び方が変わります。

年齢では先天性白内障、若年性白内障、成年性白内障、老年性白内障に分類され、進行度では初発白内障、未熟白内障、成熟白内障、過熟白内障に分類されます。果物が熟れていくような感じですね。他にも病気によって引き起こされる白内障もあります。代表的なものは糖尿病性白内障になります。

一番怖いのは若年性白内障になります。進行スピードがかなり速く、レンズに亀裂が入ったり、強い眼内炎を起こすことが多いです。

それに比べて老年性白内障は進行スピードがゆっくりなことが多いです。

左の写真は散瞳していないですが   成熟白内障と考えられます。下の写真の正常眼と比べると水晶体全体が白濁しているのが分かります。

左の写真は散瞳していないですが   初発白内障と考えられます。上の写真の正常眼と比べると水晶体の一部のみが白濁しているのが分かります。

ここまでの写真を比較していただくと成熟白内障と進行した水晶体核硬化症は見た目の判断は難しいのが分かるかと思います。

しっかり顕微鏡で観察することが大事です。成熟白内障になると眼内炎などを起こすリスクなどもありますので注意が必要になります。

☆治療について

水晶体核硬化症は加齢性の変化で視覚に影響がない病気です。治療の必要はありません。一方、白内障は進行具合などによって治療は変わってきます。

白内障を治す治療は手術しかありません。また、進行を遅らせるための治療は目薬、サプリメントなどがあります。ただし効果を確約したものではありませんが、当院では抗酸化作用や抗炎症作用がある眼のサプリメントをお勧めしています。

以上が眼が白いについて簡単に説明させていただきました。他にも眼が白くなる状態はありますが、かなり細かくなってしまうので今回はこの辺で。

散瞳処置してからの白内障検査や他の眼科検査も行っておりますのでお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

金澤 崇史

2006年大学卒業後、2006~2012年の間関東圏3ヶ所の病院に勤務。2012年からは眼科専門病院に勤務し眼の専門的な医療に携わる。2015~2018年にかけて神奈川県の病院の分院長を務め、2018年からは東京都にしやま動物病院に勤務。2022年4月、東京都武蔵野市に吉祥寺あおぞら動物病院を開院する。比較眼科学会、日本獣医がん研究会、ねこ医学会、国際猫医学会に所属し、特に眼科診療を専門とする。